政府は、外資による安全保障上重要な土地取得に対し、監視を強めるための新法案を通常国会に提出する方針だ。重要施設周辺の土地の所有者と利用実態を詳細に把握し、不適切な利用があれば政府が対処する制度を新法で創設する考え。監視対象とするのは土地の利用方法で、外資の土地取得自体に制限は設けない。
 昨年末に国土利用の実態把握等に関する有識者会議(森田朗・津田塾大学教授)が提言「国土利用の実態把握等のための新たな法制度のあり方について」を発表。新たな立法措置の基本的な枠組みをまとめている。新法が対象とする土地は、防衛関係施設(自衛隊拠点・米軍基地)の周辺と、国境離島の土地。ほかにも重要インフラ周辺の土地も対象に含める方向。重要インフラは、機能が阻害されると国民生活に著しい影響が及ぶもので、原子力発電所、空港などが検討対象に挙がっている。
 対象の土地を、誰がどんな目的で所有し、利用している・利用しようとしているのか、不動産登記簿などの調査と現地調査で把握する。また、防衛関係施設周辺の土地には、土地売買に事前届出制を導入する方針。不適切な利用がある場合に是正するための勧告・命令も新法で措置するほか、必要に応じて政府が土地を買い取る仕組みも検討する。
 諸外国では、外資の土地取得規制を強める動きがある。米国は20年2月、「外国投資リスク審査現代化法」の審査対象に軍事施設近くの不動産購入等を加え、大統領に取引停止権限が付与された。英国では、外資による対内直接投資の事前申告の対象に、不動産を含めるための法改正が進められている。(日刊不動産経済通信)

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