(提供:日刊不動産経済通信)不動産協会は29日の理事会で「令和5年度税制改正要望」を決定した。重点要望として、本年度末で適用期限を迎える「長期保有土地等に係る事業用資産の買換え特例の延長等」と「都市再生促進税制の延長等」を挙げた。

 買換え特例は譲渡益の最大80%の課税繰り延べによって、企業の設備投資を促す効果があり、同協会は「経済安全保障の観点も踏まえた生産機能の国内回帰の支援などを図ることが極めて重要」としている。同日の記者懇談会で菰田正信理事長(三井不動産社長)は、「経済の好循環を回していくためにも、経済の先行きが見えにくいなかで、いま若干逡巡している設備投資を滞ることなく進めることが重要だ。買換え特例の延長は、当協会にとって今回の税制改正で最大の課題だ」と強調した。  また、都市再生の促進に関しては「機能集積というメリットが都市の競争力の源泉となっている。スタートアップ企業の場合、大都市の方が多様な資金を調達できたり、法務や税務など技術をビジネスに変えていくインフラが充実していたりする」と語り、多様なニーズに対応したビジネス環境を整備し、都市の国際競争力を強化する税制の必要性に触れた。

 このほか、急速に進んだ円安については、「政府による水際対策とあいまってインバウンド観光にはポジティブな要素になる。外資による日本国内の不動産投資への意欲も強くなっていると感じている」と話した。さらに「まだそれほど顕在化しているわけではないが、日本の住宅を外国人が取得するケースが増える可能性もある」とした。

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