17日に実施された21年度宅建試験(10月試験)を受けて、各資格取得支援予備校が合格推定点を算出している。このうちLECとユーキャンでは、自動採点サービスデータを元に得点分布を作成、昨年よりも低い「35点±1点」を合格推定点(予想)とした。
出題内訳は、権利関係 14 問、宅建業法 20問、法令上の制限・税・価格の評定 11 問、免除科目5問であり、例年と同じ。
ユーキャンの講評によると、まず、権利関係は改正から多くの出題があり得点しにくく、法令上の制限は、都市計画法と建築基準法が難問揃いであり、税・価格では所得税の問題が難しかった。宅建業法も、改正または若干細かい知識からの出題があったこと、個数問題が5問出題されていることから、昨年と比べると得点が伸び悩んでいるとした。5問免除は例年通りの難易度と評した。以上から、昨年よりも低い「35点±1点」を合格推定点とした。
LECの講評によると、権利関係は例年通り難易度の高い問題と基本問題の差が大きく、難易度の高い設問として「婚姻前に生まれていた子の相続権の有無」を問う問9、「選択債権」に関する出題である問 10 などから、高得点を狙うことは難しかったとした。宅建業法は個数問題が5問と少なく、また、全体として過去問の焼き直しが多かったこと、改正点として水害ハザードマップに関する知識が丸々1問出題されていたが内容的には平易であるとした。
法令上の制限については、「都市計画法」からの出題である問 15 と問 16、「建築基準法」からの出題である問 17 と問 18 が難問である一方で、「宅地造成等規制法(問19)」「土地区画整理法(問 20)」「農地法(問 21)」「国土利用計画法(問 22)」は過去問からの出題、また問 23 の国税は「所得税」、問 24 の地方税は「不動産取得税」、問 25 の価格の評定は「鑑定評価基準」からの出題で、3問とも平易ではなかったとした。
免除科目である問 49(土地)、問 50(建物)は過去問の焼き直しである一方、問 46(支援機構法)と問 47(景品表示法)は若干細かい知識問題であり、迷った受験生も多かったと推測する。