新生銀行は5日、ウィーワーク・ジャパンとの間で業務提携契約を締結した。ウィーワークの個室ブースを活用し、リモートで個人客の資産運用相談などを受ける無人拠点を段階的に増やす。同日、第1号店を「ウィーワーク東京スクエアガーデン」(東京・中央区京橋)に開設した。口座開設や住宅ローン借り換え業務などの機能も持たせ、首都圏や地方の空白地帯にあるウィーワーク店舗に無人拠点を展開する。
コロナ禍で人との対話や遠出を嫌う傾向が強まっているせいもあり、銀行の非対面型拠点の需要は高まる見通しだ。新生銀行は昨年、チャットやビデオ通話で顧客相談や口座開設手続きに応じる体制を整え、住宅ローン業務にも電子契約を取り入れた。ウィーワークとの提携はそうした業務合理化の一環。出店や運営に手間と費用がかかる有人店舗を削減する代わりに、ビデオ通話などのデジタル技術で無人化を実現した「新生サテライトラウンジ」を増やす。ラウンジには顧客の購入意向確認など管理機能も加える計画という。
5日に京橋のウィーワークで会見した新生銀行の清水哲朗・常務執行役員個人ビジネスユニット長は「当面は地方を含め4、5カ所に出店し、利用状況をみながら面的に展開したい」と表明。ウィーワークの会員にはIT関連やベンチャー企業の職員などが多く、「同じビルを使う彼らに(ラウンジを)活用してほしい」とも述べた。
ウィーワークは全国6都市で36拠点を運営中。今年は仙台など4カ所に新店を開業する。同社は施設の共用エリアを平日限定で自由に使える定額の時限プランなどを提供し、利用者を増やしている。(日刊不動産経済通信)