(提供:日刊不動産経済通信)不動産経済研究所は、「2024年の首都圏マンション市場予測」を発表した。2万8000戸前後(対22年比5・3%減)となる23年と比べ、10・7%増の3万1000戸と3年ぶりの増加となる見通し。
供給のエリア別の内訳は、都区部1万3000戸(対23年見込み比3・2%増)、都下3000戸(20・0%増)、神奈川7500戸(23・0%増)、埼玉3500戸(25・0%増)、千葉4000戸(±0%)と、千葉県以外のエリアが増加となる見込みである。
23年1~11月の平均価格は、過去最高値だった22年年間の6288万円と比べ34・0%上昇の8424万円。超高額大型物件や都心の高級タワーマンションなどの供給によって最高値を大幅に更新するのは確実となっている。24年は都区部の高額物件の供給が23年比で減少することから、首都圏全体の価格も下落する見込みである。ただし資材費や用地費は高騰しており、22年との比較では上昇する可能性が高い。商品特性のテーマに大きな変化はなく、太陽光発電などでエネルギーを創出するZEHマンションに注目。物価高などから省エネへの高い関心が続く。
23年年間の供給戸数は、都区部1万2600戸、都下2500戸、神奈川6100戸、埼玉2800戸、千葉4000戸の合計2万8000戸程度を見込んでいる。都区部が16・7%増、都下も5・9%増と伸ばす一方、埼玉県が40・6%減、神奈川県も17・6%減と2ケタ減少する見込みである。また、着工は4月から減少傾向にあり、1~10月の着工戸数は前年同期比1・0%減の4万2679戸となっている。エリア別では東京都2万1846戸(前年同期比9・6%減)、神奈川県1万1952戸(26・2%増)、埼玉県4626戸(3・1%減)、千葉県4255戸(9・7%減)と神奈川県が2ケタ増となったものの、その他のエリアはいずれも減少している。また在庫は11月末現在で前年同月比5・2%減の4815戸と減少しており、年末在庫は5000戸台にとどまる可能性が大きい。
今後の首都圏マンションは、価格の高騰や住宅ローン金利の上昇といった懸念材料はあるものの、都区部や近郊エリア、その周辺の都市中心部などで超高層・大型案件が数多く控えており、それらのけん引によって市場が活性化されそうだ。