(提供 日刊不動産経済通信)京王電鉄は、22~24年度を対象とした中期3カ年経営計画をまとめた。今後は、22年3月期の連結決算で黒字転換を牽引した不動産業を強化していく。最重要拠点の新宿エリアに加えて、聖蹟桜ヶ丘、調布、橋本などの沿線各エリアで拠点開発を進める。資産回転型の事業を行うファンド設立の検討や、資本業務提携したサンウッドと富裕層向け新築分譲マンション事業も推進し、24年度にセグメントの営業収益558億円、営業利益114億円への成長を目指す。
京王電鉄の21年度連結決算では、「収益認識に関する会計基準」等の影響で減収し、運輸業やレジャー・サービス業で営業損失を計上した一方、不動産業は営業利益104億円と黒字転換した業績に大きく貢献した。新中計では、24年度までを不動産業を強化する「仕込み期間」と位置付ける。沿線のまちづくりでは、新宿エリアを最重要拠点として「新宿駅西南口地区開発計画」に取り組む。26年度に竣工予定の地上37階地下6階建ての大規模複合ビルを始め、新宿全体を活性化する。聖蹟桜ヶ丘エリアでは、自然環境を生かしてライフスタイルの変化に応える住宅開発や商業施設のリニューアルを検討する。橋本エリアは、リニア中央新幹線の開業を見据え、沿線の顔となるにぎわいづくりを行う。調布エリアで、「京王フローラルガーデンアンジェ」跡地を中心に、多世代の交流を図る。
ほかに、ファンドを設立して資産回転型事業を検討していく。保有資産を売却して運営業務を継続するスキームを想定する。サンウッドとの提携では、富裕層向けに都市部の新築分譲マンションの販売などを行う。事業規模約39億円の「(仮称)浜田山3丁目プロジェクト」(37戸)を皮切りに、協業を進めていく。