不動産経済研究所が18日まとめた10月の首都圏新築分譲マンション市場動向によると、発売戸数は2055戸で、対前年同月比38.8%減と大幅な減少となった。一方、初月契約率は71.4%で好不調の目安とされる70%を再び上回った。発売戸数の減少は100戸超供給するような大型の物件が当月になく、期分け販売物件が中心となったため。小ロットの供給が多かったこともあって契約率は上昇した。加えて在庫数は減少しており、市況は堅調だ。
発売戸数は、対前年同月比1303戸減り、38.8%減となった。対前月(2311戸)比では256戸減って、11.1%減。初月契約率は71.4%で、前年同月比1.0ポイントアップ、前月比では3.7ポイントアップ。契約率は直近6カ月でみると21年9月67.7%、8月73.0%、7月68.3%、6月72.5%、5月69.3%、4月73.6%となっており、7割を上回るのは2カ月ぶり。
契約率は23区と千葉で7割を超えた。他のエリアも7割に近い数値であり、市況が悪くなっているわけではない。ただしいずれの地域も大型物件の供給がなく、23区では東京・渋谷区の「ザ・パークハウス グラン 神山町」(総戸数55戸 事業主=三菱地所レジデンス、東急)や、港区白金エリアのマンション「パーク レ・ジェイド白金レジデンス」(総戸数55戸 事業主=日本エスコン、三菱地所レジデンス)など小ぶりな物件が目立つ。なお「パーク レ・ジェイド白金」は小規模物件ながら、エントリー数が15日時点で1800件超となるなど、都心マンションは相変わらずの人気であり、全体の契約率の高さにも繋がっている。
平均価格は二桁アップ
戸当り平均価格は6750万円、1㎡当り単価は105.7万円となった。前年同月比では平均価格は620万円(10.1%)のアップ、㎡単価は10.4万円(10.9%)のアップとなった。前年同月比では平均価格、㎡単価ともに4ヵ月連続のアップ。
地域別でみると東京23区8455万円、㎡単価144.5万円(11.8%アップ、11.8%アップ)、都下5171万円、㎡単価79.4万円(3.9%ダウン、前年同月と同値)、神奈川県5101万円、㎡単価72.1万円(11.0%ダウン、15.4%ダウン)、埼玉県4698万円、㎡単価68.5万円(16.7%アップ、20.6%アップ)、千葉県4288万円、㎡単価61.1万円(4.2%ダウン、1.8%ダウン)。
即日完売物件
・「ガーラ・レジデンス川口並木パークサイド」 1期 20戸(埼玉・川口、 平均4548万円、㎡単価72.9万円、先着順)
・「ソライエグラン流山おおたかの森」 6期(終)26戸(千葉・流山、平均4632万円、㎡単価66.0万円、平均1倍、最高1倍)など4物件68戸。
販売在庫、来月供給予測
10月末時点の在庫数は5376戸で、前月末比238戸の減少(21年9月末5614戸、20年10月末6466戸)。ユーザーの動きが底堅いことから、販売在庫数は減少傾向をキープしている。11月は超大型物件の「晴海FLAG」(東京・中央)など複数物件の計上を予定、11月の発売戸数は3500戸程度の見込み。