三井不動産、50年に温室効果ガス(GHG)排出量ネットゼロ―脱炭素へテナントにグリーン電力提供

 

 三井不動産は、グループ全体で達成を目指す温室効果ガス(GHG)排出量削減の中長期目標を設定した。19年度比で排出量を30年度までに30%削減、50年度までにネットゼロにする。脱炭素社会の実現に貢献し、企業価値の向上につなげる。

 同社はこれまでも東京・日本橋や豊洲にエリアエネルギープラントを設け、エリア内に電力と熱を供給してエネルギーを効率的に活用するなど、エネルギー消費や温室効果ガス排出量の少ない街づくりを進めてきた。オフィスビルでは省エネ・創エネ・蓄エネの取り組みも実施しているほか、環境負荷の少ない国産材を使用した木造高層ビルの計画も検討している。今後はさらに環境性能の高い開発を目指し、再生可能エネルギー関連の取り組みを積極的に進める。

 具体的には、東京電力エナジーパートナーとオフィスビルを対象とした使用電力のグリーン化に関する包括協定を締結した。三井不動産のビルテナントに、固定価格買取制度(FIT)による電力の買取期間を終えた住宅用太陽光発電の環境価値が付いた電気を提供する。来年4月から東京ミッドタウン日比谷などで始め、首都圏のオフィスビルを中心に拡大していく。

 こうした環境価値が付いたグリーン電力を個別のテナントの要望に応じて安定的に提供するのは国内で初めての取り組みという。包括協定の期間は21年度から30年度まで。30年度に約6億kWhの使用電力をグリーン化する計画だ。これまでも入居企業からR100やESG、SDGsの実現に向けたグリーン電力導入の要望はあったが、多様なニーズに応じたサービスを提供するのは難しかった。日刊不動産経済通信

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