「新築そっくりさん」、既存住宅を新築同等の断熱化へ新プラン 部屋単位で可能に 住友不動産
新築そっくりさん(HPより)

 住友不動産は、既存住宅の大規模リフォーム「新築そっくりさん」で、断熱性能が低い住宅でも、新築住宅の省エネ基準と同等の断熱性能が確保できる新プランを開発し、13日から全国で受注を始めた。1棟まるごとだけでなく、1階や部屋単位でも施工が可能で、必要な部分だけ断熱性能が高められるのが特徴。試算によると、冷暖房エネルギーを3割以上削減できるという。
 同プランでは、床や壁、天井に16年省エネ基準の断熱材を施工し、サッシの交換や内窓の設置を実施。換気で逃げてしまう涼しさや暖かさは熱回収しながら換気することで、約5~8割の熱エネルギーを回収する。建物の条件によって省エネ性能の変化は異なるが、モデルケースの試算では、1980年の省エネ基準の建物を16年基準にすると、熱暖房エネルギーは約3割減り、その他の効果を含めると、それ以上の省エネ効果が得られる場合が多いと推定されるという。
 現在の既存住宅ストック約5000万戸のうち、現行の省エネ基準に適合している住宅は約11%にとどまる。1992年基準で22%、1980年基準で37%、無断熱など80年基準を満たしていない住宅も30%を占める。今回の新プランによって、断熱性が低いといわれる日本の住宅を高断熱化することで、「新築そっくりさん」の受注拡大と、住宅の長寿命化に貢献していきたい考えだ。
 「新築そっくりさん」は古い戸建てを耐震補強し、新築同様に再生させる完全定額制のリフォーム。阪神・淡路大震災を機に商品の開発を始めた。今年6月時点で累計受注棟数が15万棟に達した。(日刊不動産経済通信)

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