(提供:日刊不動産経済通信)住友不動産は若い企業や起業家らのビジネスを支援するセットアップオフィス「グロース」の出店を増やす。家具と通信環境を備え、法人登記が可能で敷金も比較的抑えたオフィスをベンチャー企業らに貸し、事業創造を後押しする。既存施設が東京の虎ノ門と渋谷にあるが、11月1日にはSBI PEホールディングス(東京・港区)と共同で「住友不動産六本木グランドタワー」に新拠点を開く。来春までに東京都心に7カ所、大阪・京都に各1カ所の9拠点体制にする。自社で運営する230棟以上のビルのほか、再開発で解体予定の施設に暫定出店することも視野に入れる。
多様な部屋と賃貸借契約のプランを用意。企業が成長のプロセスに合わせて席数や部屋の広さなどを変えられるようにする。スタートアップ向けのイベントへの参加も呼び掛け、テナントの事業が円滑に運ぶようハードとソフトの両面で後押しする。今後、東京都内では神田と九段下、新宿、西新宿、関西では大阪・中之島と京都にそれぞれ出店することが決まっている。
東京・港区の住友不動産虎ノ門タワーに入る「グロース虎ノ門」は今年5月に満床で稼働。同社はテナントの強い需要があると判断し、増床を決めた。この施設では社員数10人ほどを想定する30坪の部屋から、50人程度を収容できる150坪の区画までを用意する。
「グロース」に入居する企業は住友不動産が今年1月から毎月開いているベンチャー企業と大企業、ベンチャーキャピタル(VC)らのマッチングイベント「虎ノ門サミット」に参加できる。業種や企業規模などを超えた交流を促す催しで、これまでに6回開いた。24日にはその集大成となるイベントが東京・西新宿で開かれ、2000人を超える参加者が集まった。