―不動産業の領域拡大と民主化へ知見共有  不動産に関わる事業者らが集まり、新たな市場を切り開こうとする意欲的な取り組みが始まった。エンジョイワークス(神奈川県鎌倉市、福田和則社長)らが3月に「♯新しい不動産業研究所」(所長=矢部智仁・合同会社RRP代表社員)を設立。全国の企業や行政、投資家らで知見を持ち寄り、共鳴する仲間を増やしながら事業領域を広げる。事業創造や開発・管理、資金調達などを円滑に実行するプラットフォームを目指す。

 活動方針に不動産業の「領域拡大」と「民主化」を掲げる。不動産業の既存の枠組みにとらわれず、金融やIT、農業、福祉、飲食など周辺産業を巻き込みながら事業の種をまく。当面は開発や仲介、まちづくりなどの成功事例を集め、ストック情報として会員らで共有できるよう整理する。欧米の空き家対策など海外の事例も参考にしながら行政らに事業化を提案する。  同研究所は営利団体ではなく、会員同士や会員と地域行政らを結び付ける触媒のような組織体を目指す。矢部所長は「既存の枠組みを否定するのではなく、見方や切り口を変えることでビジネスを生み出す」と話す。事業者だけでなく建物を使うテナントや不動産サービスの利用者、一般市民らにも入会の門戸を開く。例えば、空き家や廃校、公園などの有効利用や、入居希望者らで自主的に開発や運営を行う「コーポラティブハウス」なども事業テーマとして検討する。  3月中旬に東京と大阪、京都で新団体の旗揚げイベントを開いた。現時点で20社を超える企業らが参画する意向だという。不定期的に企画するトークイベントなどを通じて活動の成果を報告する予定だ。

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