(提供:日刊不動産経済通信)三菱地所レジデンスは大地震などの災害時に居住者同士で助け合うための防災ツールを自社の賃貸マンション「ザ・パークハビオ」シリーズに導入する。初動対応と被災生活のマニュアルをカードにまとめ、視認性の高い箱に詰めたものを共用部に設置。発災後、入居者に自発的に使ってもらい災害対応を合理化する。8月に竣工した「ザ・パークハビオ中野富士見町ガーデン」(東京・中野区、115戸)を皮切りとして、東京の人形町と横浜市神奈川区六角橋の物件に採用。段階的に普及させ、隣人との関係が希薄になりがちな賃貸マンションに助け合いの機運を醸成する。
社員有志のボランティア組織「三菱地所グループの防災倶楽部」が分譲マンションで管理組合らと災害対応支援に取り組んできた。賃貸マンションにはツールを活用し、自助と共助の輪を広げる。中野の物件では初動対応用の「ファーストミッションボックス(FMB)」と被災生活用の「セカンドミッションボックス(SMB)」を1階のコワーキングラウンジに置く。管理会社との連携も視野に入れながら、防災訓練などを通じて運用を定着させる。建物には共用と各住戸用の防災倉庫や太陽光発電設備なども配備する。
ザ・パークハビオ中野富士見町ガーデンは東京メトロ丸ノ内線・中野富士見町駅徒歩4分の立地。RC造14階建て。間取りは1K~2LDKで1Kが74戸と多い。専有面積は25・08~51・84㎡。坪当たりの平均賃料は1・5万~1・7万円。8月に53戸分の入居者募集を始め、25日時点で約40戸が成約した。契約者は中野・新宿両区など地元在住者が多く、年齢層は20歳代~30歳代後半が中心。9月下旬に入居を始めている。