(提供:日刊不動産経済通信)オープンハウスグループは、データサイエンスに基づく営業体制と手法の構築、人材育成を向こう1~2年で実施し中長期的な成長基盤とする。AIソリューションを提供する㈱JDSC(東京・文京区、加藤エルテス聡志社長)とこのほど協業した。収益不動産のリーシング営業でのプルーフ・オブ・コンセプト(PoC、概念実証)から始め、11月末をメドに成果を出す予定だ。
同グループの行動記録システムに蓄積されたデータをJDSCがデータサイエンスを用いて検証・マニュアル化し、エース社員が行う様々な案件の最適な行動を、他の社員も高い精度で再現できる体制をつくる方向。成約に至る過程まで網羅できるため、一般的なマニュアルより実践的で成果が期待でき、汎用性も高い内容になる予定だ。まずはリーシング営業から着手して実績を積み、続いて戸建て分譲住宅など他の分野にも普及させる。すでにグループ全体でデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めていて、システムの内製化と各種データの蓄積を実施済みである点が早期に成果を出せるとみる一因だ。
同グループはさらなる成長を目指しているが、課題となるのは営業体制だ。現在は営業に必要十分な人材を割り振り、その中から頭角を現したごく少数のエース社員が成約を牽引する状態だが、全体を底上げした方がより高い業績を安定して達成できる。少子化に伴って人員の確保が年々難しくなる状況も加わり、体制整備が課題となっていた。最も難しいエース社員の行動分析及び結果との関連性の可視化で、データサイエンスを活用する。体制の刷新後、現在現場で活躍している社員は現場から離れマネジメント担当などに昇格していく予定だ。