(提供 日刊不動産経済通信)日本経済団体連合会は「2022年度規制改革要望―人・地域・グリーン―」をまとめた。要望は63項目からなり、グリーントランスフォーメーション(GX)を進めるため、リートの投資対象拡大を通じた脱炭素化の推進や、建物の屋上に太陽光パネルを設置する際の下部空間の有効活用などを求めた。
要望では、GXの推進に向け、脱炭素関連資産への投資を促進するために、投資家に安定的な投資機会を提供する受け皿を作ることが必要だとし、投資法人(リート)の有効活用を訴える。現在は、投資法人の投資対象に、再生可能エネルギー発電施設以外の脱炭素関連資産(二酸化炭素の回収・貯留装置、蓄電池など)を組み入れることはできない。そのため、脱炭素関連資産をリートの投資対象に加えるべく、投信法などの見直しを要望している。併せて、事業者のニーズや政策的観点から、何を脱炭素関連資産として規定するかを検討すべきであるとしている。
また、カーボンニュートラルの実現に向けて再生可能エネルギーの更なる導入を図るため、建築物の屋上に太陽光発電設備を設置していくことを促す。そのため、屋外に設置される電気・空調などの設備機器や屋上庭園・休憩スペースなどの上部の空間に太陽光発電設備を設置する場合に、防火・安全上問題がないことを前提として、太陽光パネルの下部空間を建築基準法上の容積不参入とすることを求める。
このほか不動産関連では、スタートアップの支援として、サービスオフィス利用に対する借地借家法の例外的措置の創設を要望。利用事業者がスタートアップの場合は、施設利用契約によるサービスオフィス利用を認めることを明確化すべきであるとしている。