日鉄興和不動産は、専用車両を活用した送迎付きの「移動式マンションサロン」の実証実験を13日から開始した。マンション建設地までの移動の間、専用車両の中で販売対象のマンションに関する様々な動画やVRを通じて、実際に住んでいるかのような疑似体験を演出する。非対面の個室空間という安心感をテコに、モデルルーム来場の心理的ハードルを下げ、従来はアプローチできていなかった顧客層の集客を目指す。
移動式マンションサロンの名称は「Smart Class(スマート クラス)」 。ソフトバンクとトヨタ自動車が共同出資するモネ・テクノロジーズが提供し、車内のレイアウトが柔軟に変更できる「マルチタスク車両」を活用する。座席は2席で、無人接客が基本。1枠1組に限定し、1日に4枠を設ける。所要時間は約70分。東京・浅草などに計画する3件のコンパクトマンションを対象に、実験を1カ月間行う。
まず、顧客が指定した駅まで専用車両が迎えに行き、車内で主観動画、GPS連動動画などを視聴するほか、オンライン接客で質問もできる。マンション建設地ではタブレットによる現地案内を行う。販売センターへの移動時間、対人接客の心理的ハードル、コロナ禍で生じた公共交通機関による移動の不安を取り除くことで、これまで来場していなかった顧客層を獲得する。気軽に物件を知りたい層や多忙なサラリーマンを想定ターゲットに据え、2種類のツアーを用意した。
来年3月以降は車両の作りこみやコンテンツの改良を行ったうえで、新サービスとして本格導入する予定。複数の車両を購入し広範囲な物件で導入していく。
2020/11/13 日刊不動産経済通信