大手ハウスメーカーの10月度戸建て注文住宅受注状況は、中高級価格帯商品が中心の各社が9月と同様の状況で推移し、一次取得者層向け価格帯が中心のヒノキヤグループは前年同月比の金額ベースで39%増となり、6割増だった9月より増加幅は減少したが、依然好調な販売状況だった。
積水ハウスは4%増、大和ハウス工業は6%減、積水化学工業住宅カンパニー(棟数ベース)は0%増、住友林業は11%増、旭化成ホームズは16%減、パナソニックホームズは14%減。20年度の累計は前年同期比で積水ハウスが11%減(2~10月)、大和ハウス工業が15%減(4~10月)、積水化学工業住宅カンパニーが13%減(4~9月)、住友林業は5%増(4~10月)、旭化成ホームズは26%減(同)、パナソニックホームズは2%増(同)、ヒノキヤは8%増(1~10月)で、住友林業とパナソニックホームズ、ヒノキヤが累計でも昨年を上回っている。前年割れの各社も、通期での業績の平準化の見通しまでは立てにくいものの、緊急事態宣言解除後は回復軌道にある。
足元の状況では、一次取得者層向けの分譲・建売に続き中高級路線の注文住宅の需要も高まってきている。大和ハウス工業が21年3月期第2四半期の決算説明会で「(売上高などの業績にはまだ反映されていないが)、契約残は堅調」と紹介。反響が良い商品として、9月に発売した重量S造3階建ての最新の都市型戸建て注文住宅「スカイエスリー」(参考坪単価89・9万円から)を挙げた。住友林業は、9月までの金額ベースでも前年同期比7・1%増となった。ウェブに訴求の成功などが住宅展示場の集客減を上回り、資料請求数でも前年を上回っている。
2020/11/20 日刊不動産経済通信