LIFULLとゼンリン、全保連、デジタルベースキャピタルが立ち上げた「一般社団法人不動産情報共有推進協議会」(代表理事=松坂維大・LIFULL不動産ファンド推進事業部ブロックチェーン推進グループ長)は、今月中旬から各建物と住戸に識別可能なIDを付与し、さまざまな企業が持つ物件情報を登録・蓄積して活用する実証実験を行う。開発したID付与システムのβ版で12月まで実証を行い、21年に商用版サービスの運用開始を目指す。協議会が5日に開いたオンラインの設立イベントで明らかになった。
不動産管理や仲介、物流、ポータルサイト、ガス、電力、地図など、各プレイヤーが個々に持つ物件に関する情報を登録・蓄積してデータ連携させることで、正確でリアルタイムな情報の一元化を図りたい考え。実証実験では、①中古マンション管理履歴の共有②中古不動産の売買価格査定③住居不動産の賃料査定-での利用を想定し検証していく。①では中古マンションの購入検討者が該当物件の共用部と専有部それぞれの管理状況を把握でき、売買を行う仲介会社が顧客へ適切に情報提供できるようにすることが目的。実証では物件IDへの管理情報の蓄積や、物件IDからの管理履歴の参照、管理情報の登録・更新などに関して、支障がないかを検証する。協議会では、実証実験の開始に当たり、協力企業や不動産に関わるデータを持つ企業・組織の入会を募っている。
設立イベントでは、協議会の取り組みについて説明したほか、代表理事の松坂氏と監事を務める成本治男氏(TMI総合法律事務所弁護士)による不動産業界のDXに関するパネルディスカッションを行った。
2020/11/06 日刊不動産経済通信