金融機関98機関(都銀4行、信託3行、生保9社、地銀76行、その他6機関)の2022年3月期業績によると、不動産業向け貸出金の期末残高(以下、不動産向け残高)は総額86兆15557.57億円(前年同期比2兆2438.00億円増、2.67%増)。総貸出残高(627兆1756.44億円)に占める不動産業向け貸出割合(以下、不動産シェア)は13.74%で0.14Pダウンした。
不動産向け残高トップは、三菱UFJ銀(残高9兆3014.84億円、3648.01億円増)。これに三井住友銀(8兆9133.82億円、8866.03億円増)、みずほ銀(8兆6,998.00億円、4557.00億円増)、りそな銀(5兆1469.00億円、231.00億円減)、横浜銀(3兆8069.65億円、1911.40億円増)が続く。6~10位は三井住友信託銀(3兆5923.12億円、616.48億円減)、千葉銀(2兆9108億円、1001億円増)、福岡銀(2兆1964.00億円、914.00億円増)、静岡銀(2兆1908.88億円、624.98億円増)、関西みらい銀(1兆9457億円、84億円増)。
上位10行までの全セクター向けの総貸出は、前年から11兆6984.30億円(3.30%)増えているのに対して、不動産向け残高は2兆758.94億円(4.45%)増。これを上位20位まで広げると、総貸出2.89%増に対して不動産向け残高は4.16%増で、若干、不動産業向け貸出が活発なことがわかる。全金融機関の総貸出は前年同期比3.74%増、同不動産向けは5.27%増。
その他、増加率が高かったのは、15位のきらぼし銀の14.83%増(残高1兆2226.34億円、1578.85億円増)、17位の七十七銀の7.66%増(1兆1905.92億円、847.53億円増)、21位の京葉銀の9.19%増(7795.61億円、656.27億円増)、27位のあおぞら銀の14.22%増(7150.81億円、890.02億円増)、41位の北陸銀(5371.39億円、1902.63億円増)などだった。不動産シェアは、14位のみずほ信託銀が45.75%でトップ、68位の沖縄海邦銀が41.26%、36位の東日本銀が36.88%、35位の徳島大正銀が33.47%で続いた。
一方減少した機関は21機関。減少率が大きかったのは、98位の三菱UFJ信託銀の20.96%減(残高7.05億円、1.87億円減)が最大。そのほか、86位のイオン銀が17.40%減(735.50億円、154.92億円減)などだった。
2022/6/15 不動産経済ファンドレビュー