20年通年の国内の事業用不動産(10億円以上、土地取引・JリートのIPO時取得物件除く)の投資額が、前年比5・2%増の3兆8480億円とコロナ禍にあって前の年を上回ったことがCBREの調べで分かった。国内投資家の投資額が15%減った一方、海外投資家による物件取得が30%増え、総額を底上げした。Jリートの投資規模も2%増加した。
投資額の割合をアセット別にみると、首位はオフィスで総額の38%を占める。次点は活況が続く物流施設で、投資割合は27%と05年の調査開始以来、最高になった。3位は住宅で比率は18%。CBREの別の調査によると、投資対象として人気のアセットは21年も物流、オフィス、住宅の順。特に物流と住宅は取引利回りがさらに下がる可能性があると分析している。昨年の取引利回りは地方の物流施設が4%強、都心の住宅には3%台前半の事例もあったという。
オフィスの売買は、昨年は東京都心での取引が少なく、年末時点で利回り上昇の兆しはみられないという。ただ賃貸オフィスはコロナ禍でテナント需要が鈍く、賃料下落と空室増加への懸念から投資家の引き合いが弱まりつつあると分析する。一方、地方は東京よりも需給の緩みが抑えられており、投資家の目が向く可能性があると予想している。
20年第4四半期(4Q、10~12月)の事業用不動産の投資額は前年同期比7・6%増の1兆2040億円。海外投資家の投資が41%減の3140億円と前年同期の実績を大きく下回った一方、Jリートの投資規模が87%増の4930億円と大きく拡大した。(日刊不動産経済通信)
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