東証スタンダード上場の不動産会社アジアゲートホールディングスは、東京地裁が5000万円の財産の仮差し押さえを認める決定をしたことを受けて、不動産会社NSアセットマネジメントの取締役2名と和解したと発表した。
アジアゲートは20年7月に当時の NS アセットマネジメント(現・株式会社ピエロ)の取締役2名との間で同社の不動産コンサルティング事業等を譲り受ける事業譲渡契約を締結。
その際アジアゲートは買収した NS が一定の業績達成の見込みが確認された場合に2名に発行する株式を5億円で買い取る合意をした。ただし業績未達の場合は未達金額に応じて返金義務が生
じ、未達の程度次第では全額返金とする条項があった。実際にNSは業績未達となる可能性が高く返金の可能性が高いため、アジアゲートは2名に対価を支払っても返金されない可能性があることを踏まえ支払いを留保していた。
和解契約の内容はアジアゲートが当該株式を5億円で買い取る代わりに、将来の返金を現時点で3億 5000 万円と定め、差引1億 5000 万円を役員2名に送金すること。なお役員2名は和解契約書の締結とともに、NS の取締役を辞任した。
NSの役員2人は、アジアゲートに一昨年企業買収された際に「契約していた買収の代金5億円が支払われていない」と主張していた。それに先立ち東京地裁へ、5億円のうちアジアゲートの財産5000万円の仮差し押さえを申し立てたところ、地裁は5000万円の仮差し押さえを認める決定をした。