木のいえ協、心去り材研究などで成果 実験棟も建設、大径木の活用に光明

 (提供 日刊不動産経済通信)木のいえ一番協会(代表理事=二木浩三・アールシーコア社長)は、大径木活用事業で心去り材の乾燥方法の研究を進め、内部割れの少ない乾燥技術の開発に成功した。小屋サイズの心去り平角ログ実験棟も建設。大径木を、価値を落とさず活用する新たな手法に光明が差す。

 このほど総会を開催し、昨年度の活動報告を行った。戦後に植林された木々の多くは、外国産材の普及などに伴う林業の衰退と相まって適切な間伐がされなかったため、加工や利用が難しい価値の低い大径木となっていた。大径木から芯を取り除いた心去り材を柱や梁、ログ小屋部材などの主要な建材として利用する手法があれば活用できることから、同協会の技術開発委員会と木の現わし部会が乾燥技術の確立に取り組むことになった。心去り材は節がなく、現わしとして用いる場合に美観に優れる利点もある。

 試験には高温セット処理や天然乾燥など一部の工程を省いた各種の乾燥スケジュールを設定し、それぞれ乾燥コストや品質・強度性能を比較した上で、心去り材に適した乾燥スケジュールの方向性を確立した。現在は、1月に福島県で竣工した実験棟の経年変化の様子を見る段階。地域ごとに木の性質などが異なるため、今後はエリアごとのマニュアル化も検討する。 

 このほか昨年度は、ログハウス普及部会の活動で、新型の平屋ログ「PASO(パソ)」を発売。CLTログ普及では、会員企業2社がCLTログの共同住宅1棟と小規模倉庫2棟を建設。広報委員会では、一部をユーチューブから視聴でき社内研修での利用などに適したコンテンツ「木塾(もくじゅく)」を発信した。

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