三菱地所は、スペイン・バルセロナ市でオフィスビルを開発する。同社は欧州では英国ロンドンで開発事業を多数手掛けてきたが、欧州大陸でオフィス開発を行うのは今回が初めて。
英国子会社である三菱地所ロンドン社を通じて開発事業を進めており、このほど着工した。今回のプロジェクトは、同社グループで欧州における投資マネジメント事業を展開し、欧州大陸で豊富な投資実績を有するEuropa Capital社との協業案件。フランス・パリのオフィスビルを14年に取得して以降、欧州大陸で積極的に事業を展開してきたが、今回、オフィス開発に初めて乗り出した。
オフィスビルを開発するのは、バロセロナ市東部の「22@地区」。グローバルIT企業やテック系スタートアップ企業がオフィスを構える成長エリアで、四つの計画で構成される再開発街区の一つ。建物の規模は地上10階地下2階建て、賃貸面積は約1万1000㎡。22年の竣工を予定している。バルセロナは地中海性の温暖な気候に加え、ビーチリゾートや食の豊かさなど、魅力ある住環境が評価され、近年は多くのグローバル企業が集積し、欧州におけるビジネス立地としての地位を確立している。ロンドンのオフィス開発・運営経験とEuropa Capital社のスペインにおける豊富な投資実績を生かし、欧州における投資領域を拡大していく。
欧州では、ロンドンで計6件のオフィスビル開発を含め、累計で15棟の賃貸用オフィスビルを保有・運営。欧州大陸ではオフィスを中心に物件の保有・運営を手掛けている。昨年からは英国で賃貸住宅開発事業にも参画している。
2020/11/10 日刊不動産経済通信