(提供 日刊不動産経済通信)ザイマックス不動産総合研究所は、22年第1四半期(1~3月期)の東京23区オフィスマーケットに関するレポートをまとめた。空室率は前期比0・02㌽上昇の3・60%、解約予告済み・募集中の面積を加えた募集面積率は0・29㌽上昇の6・09%だった。ともに上昇はしているものの、昨年と比べると空室率の上昇スピードは緩やかになっている。
空室の増加面積と減少面積は、増加が15・1万坪、減少が14・8万坪で、8四半期連続で増加が上回った。同研究所は「大型区画を賃借している企業ではオフィス戦略の見直しを行い、面積を減らす動きがある一方で、業績が好調な中小企業が人員増強のために手狭になったオフィスを拡張するケースもある」と分析している。空室の在庫が期中にどれだけ減少したかを示す空室消化率は26・7%(前期は26・5%)で、過去の実績に対し引き続き低い水準だった。
新規賃料の水準を示す「新規成約賃料インデックス」は86(100が20年第1四半期)で、前期と比べ2㌽下落した。空室率の上昇に伴い「賃料水準より空室の埋め戻しを優先する貸主もいるようだ」としている。規模別にみると、大規模ビル(延床面積5000坪以上)は前期比5㌽下落の82、中規模ビルは2㌽上昇の92と差もみられた。新規契約のうち、6カ月以上のフリーレントを付与している率は17・5%で、前期の12・9%よりも増えている。 4月単月の空室率は前月比0・06㌽上昇の3・66%、募集面積率は0・04㌽上昇の6・13%だった。都心5区別の空室率では港区が4・43%と高く、渋谷区は2・87%だった。