(提供 日刊不動産経済通信)東急不動産ホールディングスは11日、25年度までを目標年度とする中期経営計画を発表した。「アフターコロナの再成長に向けた稼ぐ力と効率性の向上」を進め、25年度の利益目標としては営業利益1200億円(22年3月期838億円)、当期純利益650億円(351億円)を掲げた。
中期経営計画は、21年5月に公表した30年度までの長期ビジョンと長期経営方針に基づいたもの。中計期間は、長期経営方針における「再構築フェーズ」と位置付けている。アフターコロナの再成長に向けた稼ぐ力と効率性の向上を推進し、強固で独自性ある事業ポートフォリオの構築を目指すとしている。長期経営方針で全社方針に定めた「環境経営」や「DX」については、具体的な目標指標や取り組みも盛り込んだ。
同日の記者会見で星野浩明・執行役員は「再生可能エネルギー事業は利益を倍増させ、観光需要の回復によるホテルニーズの拡大も織り込んだ」と説明した。一方、工事費の上昇に関しては「最も影響を受けやすいのは住宅」(橋本茂・執行役員)との認識を示した。競争原理を生かした工事発注時のコスト低減に加え、人気が高く購入者の負担力も見込める駅近物件やタワー物件に注力し、コスト上昇分を吸収していく考えも示した。
21年度から25年度までの投資計画はグロス投資が2兆2000億円、回収額が1兆6300億円、ネット投資額が5700億円とした。グロス投資額の内訳は、資産活用型2兆円(都市開発1兆3300億円、戦略投資6700億円)、人財活用型(管理運営事業と不動産流通事業)1500億円、TFHD社500億円。