(提供 日刊不動産経済通信)野村不動産ホールディングスは26日、23年3月期から31年3月期までを計画期間とする「野村不動産グループ 中長期経営計画」を発表した。利益成長と高い資産・資本効率を目指し、事業利益(営業利益と持分法投資損益、企業買収に伴う無形固定資産の償却費の合計)で年平均成長率8%水準を実現する。成長の柱の一つに海外事業を据え、既に取り組んでいる東南アジアの住宅分譲に加え、先進国の収益不動産の開発事業も手掛けていきたい考えだ。

 重点戦略としては▽国内デベロップメント事業の更なる拡大▽サービス・マネジメント分野の高い利益成長▽海外事業の着実な成長-の三つを明記した。25年3月期のフェーズⅠでは事業利益ベースで1150億円、28年3月期のフェーズⅡでは1400億円以上、31年3月期のフェーズⅢでは1800億円以上という目標数値を掲げた。22年3月期の事業利益は927億円となっており、9年で倍増させる計画だ。海外事業の事業利益割合は31年3月期で15%以上を目指す。

 具体的にみると、分譲・売却事業では、海外事業、国内の住宅分譲事業や収益不動産事業の収益性の向上と事業量の拡大を図る。保有・賃貸事業では、戦略的資産の入れ替えによるポートフォリオの利益向上や事業量の拡大を目指す。こうした開発力を起点に、資産運用や仲介・CRE、運営管理事業などのサービス・マネジメント事業の成長を図る。

 中期的な目標となる25年3月期の部門別事業利益は住宅部門が325億円(22年3月期は325億円)、都市開発部門が550億円(385億円)、資産運用部門が90億円(78億円)、仲介・CRE部門が120億円(117億円)、運営管理部門が105億円(92億円)、海外部門が40億円(2億円)。

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