(提供 日刊不動産経済通信)
国土交通省の主導で設立された全国二地域居住等促進協議会(会長=長野県・阿部守一知事)は、個人向けの「二地域居住ハンドブック」を作成し、国交省HP内で公表した。実際に二地域居住を始めるまでの手順やノウハウをまとめたもの。会員自治体を対象に行ったアンケートをもとに、地方自治体向けの「二地域居住等推進ガイドライン」も作成した。
ハンドブックは、二地域居住にも様々なスタイルがあることを提示。実際に二地域居住を行っている8人を取材し、目的や暮らしぶりを紹介している。両拠点の家賃など滞在に必要な費用や、拠点間の移動のコストはどのくらいかかっているのか、困ったことはあったかなども記載。これから二地域居住を始めたいと考えている人向けに、「憧れだけでは二地域居住を継続するのは難しく挫折する人もいる」など、リアルなアドバイスも盛り込んでいる。次に、二地域居住のための準備のタイムラインを説明。どのような二地域居住がしたいかプランを立てるところから、候補地の検討、住まい(拠点)探しの3段階に分け解説した。
協議会が自治体会員(3月1日時点662団体)に対し、アンケート調査を実施したところ(回答499件)、二地域居住の課題は「二地域居住の促進にあたり、何をやったらよいか、何が効くのかわからない」が49・3%で最多だった。同様に協議会に加入した動機は「施策や事例等の情報収集」が71・1%で最多。ガイドラインはこうした自治体に対し、①地域や生活情報に関する情報発信②相談窓口設置③「お試し居住」などきっかけづくりの取り組みの実施④空き家の利活用など具体的な取り組み支援の展開―という4ステップで二地域居住等を推進する手順を説明している。