不動産経済研究所が18日まとめた9月の首都圏新築分譲マンション市場動向によると、発売戸数は2311戸で、対前年同月比6.7%減となった。初月契約率は67.7%で好不調の目安とされる70%を下回った。
発売戸数は、対前年同月比166戸減り、6.7%減となった。対前月(1,940戸)比では371戸増えて、19.1%増。初月契約率は67.7%で、前年同月比5.7ポイントダウン、前月比では5.3ポイントダウン。契約率は直近6カ月でみると21年8月73.0%、7月68.3%、6月72.5%、5月69.3%、4月73.6%、3月73.6%となっており、7割を下回るのは2カ月ぶり。
23区の契約率が低いのは、東京・中央区勝どきのタワーマンション「パークタワー勝ちどきサウス」が好調で推移した一方、販売が長期化している亀有や芝浦などの非都心部のタワー物件の存在、一部デベロッパーの戦略により竣工後販売が増加したことなどが主な理由。都下の契約率が7割近い水準となっているのは、調布や府中で供給されたマンションの契約率が高いため。
戸当り平均価格は6584万円、1㎡当り単価は98.9万円となった。前年同月比では平均価格は772万円(13.3%)のアップ、㎡単価は11.2万円(12.8%)のアップとなった。前年同月比では平均価格、㎡単価ともに3ヵ月連続のアップ。都心の大型物件供給の影響のほか、単価が低い千葉県のシェアが減ったことで全体の価格が押し上げられた。
地域別でみると東京23区8607万円、㎡単価131.5万円(24.3%アップ、14.8%アップ)、都下6187万円、㎡単価95.4万円(11.0%アップ、4.3%アップ)、神奈川県5131万円、㎡単価80.9万円(4.7%ダウン、5.9%アップ)、埼玉県4934万円、㎡単価73.1万円(2.7%アップ、7.2%アップ)、千葉県4,299万円、㎡単価56.6万円(8.9%ダウン、12.5%ダウン)。23区の上昇は「パークタワー勝どきサウス」の1期発売を計上したためで、23区の戸数の2割超は「パークタワー勝どきサウス」が占める。
即日完売物件
・「パークタワー勝どきサウス」 1期1次 233戸(東京・中央、 平均1億1629万円、㎡単価143.5万円、平均倍率2.6倍、 最高24倍)
・「ソライエグラン流山おおたかの森」 5期4次 28戸(千葉・流山、平均4573万円、㎡単価65.8万円、平均2倍、最高9倍)など5物件383戸。
販売在庫、来月供給予測
ユーザーの動きが底堅いことから、販売在庫数は減少傾向をキープ。一方で人気物件が立て続けに供給される状況とはなっておらず、契約率は伸び悩んでいる。9月末時点の在庫数は5614戸で、前月末比275戸の減少(21年8月末5,889戸、20年9月末6,447戸)。21年10月の発売戸数は3,500戸程度の見込み。