(提供 日刊不動産経済通信) 東急不動産は17日、保有するすべてのオフィスビルと商業施設の全電力を今年中に再生可能エネルギー由来の電力に切り替えると発表した。入居企業の使用電力も再エネ由来に変える。今後の新築ビルはZEB水準にする目標を設定した。
対象となるのは同社単独保有のオフィスビルと商業施設の66物件。他の物件も共同事業者と協議して、一部は再エネに切り替える。再エネ証書調達時は原則、自社発電所からのトラッキングを行う。切り替える電力は全体で年間19・3万MWhとなり、年間の一般家庭の二酸化炭素排出量4万8000件分に相当する約8万5900tを削減できる見込み。入居者の使用電力は通常の電気料金のまま切り替える。加えて、25年度までに全オフィスビル・商業施設で外部機関の環境認証を取得する。
新築ビルのZEB化では、23年秋に竣工・開業する札幌市中心部の「(仮称)札幌すすきの駅前複合開発計画」(ススキノラフィラ跡地)で、商業・ホテル系複合用途の建築物としては国内最大規模となる「ZEB Ready」の認証を取得した。分譲マンションシリーズの「ブランズ」でも環境重視の取り組みを推進。30年度までにすべての新築分譲マンションでZEHを標準仕様とする。都市型賃貸マンション「コンフォリア」シリーズの新築2物件では日本政策投資銀行の「DBJ Green Building 認証」をこのほど取得した。
同社は25年にRE100達成を目指している。長期経営方針でも「環境経営」を掲げ、25年に自社カーボンマイナス、50年にサプライチェーンを含むCO2排出ネットゼロを実現する。