(提供 日刊不動産経済通信)
アキュラホーム住生活研究所(伊藤圭子所長)は「住宅傾向調査2021」をまとめた。2009年比でシューズクローク設置件数が32件から75件に急増し、面積も23%増えた。生活様式の多様化やコロナ禍でのアウトドアスポーツの流行が要因とみられる。
調査は、09年から21年にアキュラホームが建築した延床面積30~40坪で単世帯の戸建て注文住宅から年間100棟を抽出し、間取りの傾向をまとめた。施主の年齢構成は30歳代が約5割を占める。
新生活様式での目立った動きとして、09年に設置件数が1件だった玄関手洗いは、コロナ初期の20年に23件へと急増したが、昨年は8件に減った。一方、玄関と洗面を直接行き来できる動線の採用は、20年の49件から昨年は56件に増加。平均的な延床面積の戸建て住宅では2つの洗面台を設置するよりも、間取りの工夫で対応する傾向が強いことが判明した。昨年の洗面所の面積は19年比30%増の3・0帖となった。共働き世帯の増加で家事の効率化が重視されることも一因で、洗面所で洗濯から乾燥までを完結できる間取りや充実した収納空間の需要が面積の増大につながっている。
和室・タタミコーナーとバルコニーの需要は低下した。昨年の和室・タタミコーナーの設置件数は09年比20件減の41件で、面積も36%減の4・2帖に縮小した。主な用途も来客用の空間から、居住者のくつろぎや子供の寝かしつけなどの汎用性の高い空間へと変わっている。バルコニーの設置率は09年の98%から昨年は73%に減少し、面積も19%減となった。バルコニーを設置しなかった事例の85%は、代わりに室内干し空間を採用している。