大和ハウス工業、パナソニック、アスカネット(広島市)の3社は、来訪者らがパネル等に接触することなく入館できる集合住宅向け空中タッチインターフォン試作機の共同実証試験を1月15日から始めた。半年間の試験を経て、商品化と普及を視野に入れる。
試作機はロビーインターフォンの画面を空中ディスプレイに表示し、操作も空中で行う。機器の内部に液晶ディスプレイを設置し、アスカネットが開発した特殊光学3Dプレートを介して、空中に画面を結像する構造だ。操作はディスプレイが空中にあることを除き通常の接触型ロビーインターフォンと同じ手順で、来訪者らが住戸番号をディスプレイに入力し、住戸のインターフォン室内機を呼び出して居住者が開錠する。空中ディスプレイは操作する人以外から見えにくく、セキュリティも高い。
試験は大和ハウス工業が2月に販売を始める川崎市高津区の分譲マンション「プレミスト津田山」(6階建て、106戸)のマンションギャラリーで行う。来場者全員が操作する動線で、来場者アンケートを集めて分析や検討に入る。 大和ハウス工業は、集合住宅専有部への抗菌・抗ウイルス建材の採用やノンタッチキーによる共用部の非接触化などを進めているが、セキュリティの都合上、ロビーインターフォンの操作を要する来訪者の非接触化は既存の技術や商品では困難だった。今回の技術が実装されれば大きく前進する。既存のマンションへの後付けやオフィス、店舗などへの導入も検討する。商品化には1年ほどを要する見込み。(日刊不動産経済通信)