大東建託は、水害対策に特化した賃貸住宅「ぼ・く・ラボ賃貸住宅」を商品化する。22年1月から発売する。1階がRC造、2階以上がツーバイフォー工法。2階以上に居住空間や室外機などを集約する。
19年の台風19、20号による浸水(同社事例)では、被害を受けた住宅の61・6%が50cmから1mの浸水を被った。全国ではその年、床上浸水8776棟と床下浸水2万9885棟の被害が生じている。
災害状況を受け、浸水の高さを1・5mに設定。1階の水没を前提にしながら、空間の使い方などで不自由ない日常生活と非常時の防災機能を両立させる「フェーズフリー」な賃貸住宅を目指すことになった。被災後の生活の維持と早期復旧にも重点を置く。商品開発には、18年に立ち上げた防災と暮らし研究室「ぼ・く・ラボ」に加え、建築事務所Eureka(エウレカ)の稲垣淳哉氏、防災分野のNPO法人プラス・アーツの永田宏和理事長が参画している。
開発中の参考モデル(3階建て、延床面積81・68㎡)は、3層メゾネット構造を生かして吹き抜けの階段室を筒状の風の通り道とし、水が引いた後の早期乾燥効果も期待できる。2階にバルコニー、3階にルーフバルコニーを設置して災害時はボートやヘリでの避難に役立てる。1階は居住空間と切り離した「離れ(アネックス)」とし、事務所やテレワーク空間など汎用性の高い空間とする。コンセントは、漏電対策で天井に設置。駐車場としても運用できる。
このほか、全国の支店を防災拠点「ぼ・く・ラボステーション」とし、22年3月末までに36拠点を置く方針。(日刊不動産経済通信)
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