選手村土地譲渡問題、原告側敗訴 ー東京地裁
東京地裁

 東京都中央区晴海の東京五輪選手村用地の土地売却を巡り、東京都の民間事業者への土地譲渡価格が不当に安すぎるとして、都が市民グループから訴えられていた裁判で、東京地方裁判所は23日、東京都等に対する原告側の複数の請求をいずれも棄却した。

 敗訴した原告は控訴する方針。

 東京五輪で選手村として使用された敷地は2016年12月、地権者であった都が特定建築者に選定された民間事業者11社へ129億6000万円(9.67万円/㎡)で譲渡契約を結んだ。その後この金額が不当に安すぎるとして、17年8月に市民グループ33人が小池百合子知事らを相手取って東京地裁に提訴。原告側の桝本不動産鑑定事務所代表の桝本行男・不動産鑑定士の試算によれば、用地の適正な価格は都の譲渡価額の10倍以上となる1339億626万円(100万円/㎡)としている。訴訟では譲渡価格の129.6億円との差額である1209億4626万円を、都及び民間事業者11社に対して請求していた。

 都が16年5月に示した選手村用地の特定建築者の募集要項によると、応募要件に平成23年から27年までの間のいずれか1年において「分譲マンション供給戸数が1500戸以上」という実績を求める項目があった。原告側は事実上の足切りが行われていたとして、一部の企業しか参加することができなかったことについても問題視している。

 判決を受けて桝本不動産鑑定士は「まさかのゼロ回答だ。これまでの経緯からすれば到底考えられない結果だ」と述べた。

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