不動産経済研究所は、2021年3月の首都圏マンション市場動向を発表した。3月の分譲マンションの発売戸数は前年同月比で44.9%増の3103戸と4カ月連続の増加となった。契約率は73.6%で前年同期比3.6ポイントアップ。戸当たり価格は6330万円、㎡単価は93.5万円となり、前年同月比で戸当たり価格は2.8%上昇、㎡単価は3.9%下落。同時に発表した2020年度の首都圏マンション市場動向によると、首都圏の供給は1.7%増の2万9002戸となった。
供給戸数は全ての都県でプラスとなった。昨年1−3月が新型コロナウィルスの影響を受けていた反動増となる。特に埼玉県と千葉県が3倍近くの増加となっている。千葉は大型案件の供給が牽引した。「エリアを問わずに好調だった。都区部のシェアが縮小し㎡単価は下落した。ただし戸当たりの単価については都心の高額案件が増えたことで引き続き上がっている」(不動産経済研究所)。
3月の発売は3103戸で、前年同月(2142戸)比44.9%増、前月(2243戸)比38.3%増。契約率は73.6%で、前年同月比3.6ポイントアップ、前月比では2.4ポイントダウン。1戸当り価格は6330万円、1㎡当り単価は93.5万円。前年同月比で戸当り174万円(2.8%)のアップ、㎡単価は3.8万円(3.9%)ダウンした。販売在庫数は7357戸、前月末比534戸の減少(’21年2月末7891戸、’20年3月末7888戸)。 即日完売物件はなかった。
3月末現在の翌月繰越販売在庫数は7357戸で、21年2月末現在の7891戸に比べて534戸減。20年3月末残戸数は7888戸となっている。
21年4月の発売戸数は2000戸の見込み。(20年4月は686戸)。
2020年度首都圏供給は微増、千葉県の供給戸数が6割増と牽引
20年度の首都圏マンションの供給は1.7%増の2万9032戸。㎡単価は0.4%アップの90.5万円と9年連続で上昇、一方戸当たり平均単価は5994万円で1.0%下落。供給戸数は4、5月が過去最小だったが、7月以降に徐々に回復し、20年度は1.7%増となった。大幅に落ちこんだ状況からは改善し前年度を上回った。契約率は67.9%。年度の後半に盛り返して高い水準となった。
供給戸数は23区が二桁減と落ち込んだが 千葉県が59.7%増と大きく伸ばし、都下も27.2%増となった。千葉・都下いずれも大型案件が牽引し、特に千葉は駅近物件の供給が人気を集めた。
一方23区のシェアは38%で、2000戸(15.2%減)が供給されたに過ぎない。それでも単価が上昇しているのは高額のタワー案件が増加したこと、郊外でも駅前などの好立地の物件が増えたことが単価の高止まりに繋がっている。