みずほ信託銀行のシンクタンク、都市未来総合研究所は、21年度上期の国内不動産の売買実績をまとめた。売買取引の総額は1兆9537億円で、前年度上期と比べ37・7%増加した。100億円から500億円の取引が増えたほか、一般事業法人による売却額が増加したことが要因となった。取引総額はコロナ前を上回っている。
20年度上期はコロナ感染拡大の影響で取引が大幅に減少しており、21年度上期はその反動増の側面もあるが、コロナ以前の18年度と比べて11・3%増、19年度と比べ13・3%増と上回っており、外資系法人を中心に売買市況が活況だった17年度上期とほぼ同水準の取引額だった。
金額別だと100億円から500億円規模の取引件数が大きく増加した。この金額帯の用途別内訳をみると、オフィスビルと商業施設の取引が計27件に上り、件数ベースで54・0%を占めた。Jリートによる運用物件の入れ替えや国内不動産会社から外資系法人への売却、一般事業法人の財務対策などで1件300億円台のオフィスビルの売買が複数あった。商業施設では外資系法人が国内金融法人に売却した事例や、逆に国内企業が外資系法人に売却した事例などがあった。この金額帯での物流施設の取引は8件・16・0%と比較的少なく、1件500億円以上の超大型取引は2件にとどまった。
一般事業法人が売却した金額は5214億円だった。売却先はSPC・私募リート等が突出して多かった。用途別ではオフィスビルの売却件数が特に増えた。(日刊不動産経済通信)
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