コロナ禍で経営に行き詰まるホテルが増えるなか、星野リゾートが事業運営を引き継いだ複数の都市滞在型ホテルが22年初頭に相次ぎ開業する。4月に京都の東寺と三条、11月に京都・祇園の施設を再開した。22年1月には北海道の札幌すすきのと小樽、東京・赤坂のホテルを再始動させる予定だ。小樽の施設は昨春に破綻したWBFホテル&リゾーツから運営を承継した。いずれも都市型観光を売りにする「OMO」ブランドとして経営再建を目指す。
コロナ禍で観光・宿泊業の苦境が続く。一部の有名観光地には人出が戻りつつあるが、コロナ変異種の出現もありホテル市場は先を読みにくい情勢だ。こうしたなか星野リゾートは運営が手詰まりになった宿の再生に本腰を入れている。旧WBFの施設など複数の施設を改修、段階的に営業を再開する。同社は看板ブランド「星のや」のほか温泉旅館の「界」など5ブランドを展開中だが、来年は北海道と京都、大阪、沖縄に「OMO」の6施設を開業する予定だ。
WBFホテルの運営主体が昨年6月に倒産し、星野リゾートが再建を申し出た。北海道と大阪、福岡にはWBFのホテルが今もあり、「それらをOMOブランドで再生する可能性もある」(同社)という。コロナの感染状況によってはホテル業の苦境は長期化する。同社の支援先は広がる可能性もある。ただ、同社が昨秋、宿泊事業者を支援する狙いでリサ・パートナーズと作ったファンドは運用開始から1年以上が経過する今も支援先が決まっていない。国の補助が手厚いことや、同社の事業方針に合う施設が少ないことが理由だという。(日刊不動産経済通信)
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