宅建業免許の電子申請システム構築へ<br>─国交省、コロナを機に21年度検討開始
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 国土交通省は、宅地建物取引業免許の電子申請システムを構築するための検討を来年度から始める方針だ。不動産・建設経済局の21年度予算概算要求に、デジタル・ガバメント推進(要求額8億3600万円)の一環として盛り込んだ。新型コロナを契機に行政手続きのオンライン化の要請が高まっていることを受け、システム業者と仕様書の決定に向けて動き出す。
 宅建業の免許申請には申請書のほかに、代表者の住民票、法務局発行の法人の履歴事項全部証明書(法人申請の場合)、税務署発行の納税証明書など、他省庁の分野にまたがる多数の添付書類が必要になる。他省庁とのシステム連携の確認を行いつつ、使いやすい電子申請を目指す。新規の免許申請のほか、更新や届出内容の変更も電子化に対応する。不動産業界団体にもヒアリングを行い、21年度中に内容を固める方針。
 同局の概算要求では、不動産取引環境の整備の一環として、レインズの利用実態と利用者のニーズ・課題の把握を行うことも示された。レインズを使用する宅建業者から使い勝手などを確認し、業務の効率化のための改善点を洗い出す。また、消費者に対しても課題把握を行う。16年から導入されている、売主が媒介依頼中物件の状態を確認できる「ステータス管理機能」について、どの程度使われているかなど実態を調べる。有識者が集う検討の場を設けてこれらを進める。
 レインズについては規制改革実施計画(7月17日閣議決定)で、物件登録数の増大や登録必須項目の見直し、適正な登録期間の検討を行うことが盛り込まれた。また、取引情報を登録する宅建業者にインセンティブを与えることを検討することも記載されている。


2020/10/05 日刊不動産経済通信

コメントをどうぞ
最新情報はTwitterにて!

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめ記事