全宅連、銀行の宅建業参入阻止へ調査 欧米の制度整理、有識者へヒアリングも
坂本久・全宅連会長

 全国宅地建物取引業協会連合会は、銀行の宅建業参入を阻止するため、米国を中心とする欧米の現行制度を調査したほか、有識者へヒアリングを行い結果をまとめた。経済学や不動産業、金融関係、銀行実務に詳しい有識者など、幅広く意見を聞くために人選に配慮。不動産業界の事情だけでなく市場や消費者の観点からも有識者の意見を集約することで、今後の要望活動に活用していく。

 全宅連の不動産総合研究所が検討会を立ち上げ、各国の制度を比較・整理し、有識者5人へのヒアリング結果をまとめた。商業銀行と子会社の不動産仲介や非金融業務が禁じられていた米国では、99年以降に銀行の業務規制緩和の議論が起こった。全米リアルター協会(NAR)は、不動産を仲介した銀行が消費者に有益とは限らない自社系列のモーゲージブローカーや関連会社の銀行融資へ誘導するモラルハザードの可能性を指摘。サブプライムローン問題を端緒にしたリーマンショックが起こり、09年の包括歳出法で銀行による参入は恒久的に禁止された。欧州の先進国では入口での参入規制はないが、消費者保護策や抱き合わせ販売の禁止など個別の業務規制を講じている。

 ヒアリングでは有識者の5人全員が利益相反とモラルハザードについて指摘。「融資と仲介の抱き合わせを認めると、必ず利益相反やモラルハザードが生じる」「地銀のワンストップサービスはモラルハザードと表裏一体」などの意見が出た。入口での参入規制と個別の業務規制については、4人が入口での参入規制を支持。銀行実務に詳しい有識者からは、「欧州のような個別の業務規制では銀行は対応できなく、入口での参入規制が良い」との意見があがった。(日刊不動産経済通信)

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