国土交通省は、空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)に基づく基本指針と、特定空家等の措置に関するガイドラインをこのほど改正した。法施行後の取り組み状況や、地方自治体の要望などを踏まえ、特定空家等の対象の明確化などを図っている。
特定空家等は、空家のうち、現に著しく保安上危険または著しく衛生上有害な状態にあるものに加え、「将来著しく保安上危険または著しく衛生上有害な状態になることが予見されるものも含む」と記載した。所有者等の所在を特定できない場合では、民法上の財産管理制度を活用するために、市町村長が不在者財産管理人または相続財産管理人の選任の申し立てを行うことが考えられる旨も記載。また、市町村が作成する空家等対策計画の作成や変更に関する協議を行う協議会のメンバーに、「地域の空家等対策に取り組むNPO等の団体」を加え、専門的な相談について連携して対応することも明記した。
特定空家等のガイドラインの改正では、空家等の所有者等の特定や国外居住者の調査方法のほか、所有者を特定できない場合の措置を記載。所有者特定で想定される調査方法には、登記情報の確認のほか、水道・電気・ガス供給事業者の保有情報や郵便転送情報の確認などが挙げられた。所有者が特定できない場合は、略式代執行を行うことなどができると記載した。
このほかガイドラインには、災害が発生または災害が発生しようとしている場合は、災害対策基本法に基づく措置も考えられる旨、外見上はいわゆる長屋等でも、それぞれの住戸が別個の建築物の場合は空家法の対象となる旨も記された。(日刊不動産経済通信)