日本不動産研究所は、コロナ禍と不動産投資市場の変化について、機関投資家にアンケートを実施し、137社から回答を得た。コロナ前の19年下期と比べ、市況は「現在の方がかなり活況」「活況」が3割超に上ったが、「低調」「かなり低調」も3割弱だった。4割は「変わらない」と答えた。
内訳は「かなり活況」が3・7%、「活況」が27・4%、「変わらない」が40%、「低調」が26・7%、「かなり低調」が2・2%。活況と答えた投資家に理由を聞くと、「取引市場において高額取引や取引件数が多いから」が最も多かった。低調と答えた投資家は「賃貸市場において、需給が緩和しているから」などの理由を挙げた。
コロナ感染症の発生以降、市場への影響が大きかったのは、1位が「ホテル市場の急激な低迷(インバウンド需要の蒸発)」、2位が「物流施設の躍進(eコマース市場の拡大・成長)」、3位が「外資による積極的な対日不動産投資」だった。今後の成長ファクターについては、「市場参加者の多様化」「投資アセットの多様化」「デジタル・トランスフォーメーション」などが多かった。一方、今後のリスク要因としては「賃料の伸び悩み」「金利上昇リスク」「レンダーの融資姿勢の変化」が挙げられた。
コロナ収束後のアセットごとの回復時期は、オフィス、ビジネスホテル、シティホテル、外国人向け高級賃貸住宅、都心型商業施設がいずれも「反転回復まで1年程度の期間を要する」という回答が4割前後を占めた。調査時点は10月1日。アセット・マネージャーや金融機関、デベロッパー、Jリートなどが回答。(日刊不動産経済通信)
この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローしよう
Follow 不動産経済研究所/不動産経済オンライン