ラサール不動産投資顧問が一昨年11月に組成した旗艦ファンド「ラサール・ジャパン・プロパティ・ファンド(LJPF)」の運用資産総額が増えてきた。16日までに大手機関投資家などから約330億円の出資コミットメントを獲得。ローンを含め170億円で東京など三大都市圏の物流施設と賃貸住宅合計8物件を取得し、運用総額が1650億円になった。同社は「早期に資産規模を2000億円台に到達させる。24年までに3000億円を目指す」としている。
LJPFは日本の大都市圏のオフィスとレジ、物流・商業施設を対象とするオープンエンド型私募ファンド。ラサールによると同種のファンドがコミットメント型で資金を調達した事例は稀だという。一昨年にファンドを組成した時点で同種ファンドのエクイティ出資額では国内最大規模となる1000億円超のシード・アセットを確保していた。利回りは3月時点で4・5~5・5%を想定。組成後にコロナ禍に見舞われたが、運用利回りを落とさず堅実に運用している。
3月にエクイティの2次募集で国内の物流施設と賃貸レジの計10物件を総額350億円で取得、資産規模が1500億円を超えた。今回取得した8つの物件は東京圏の物流施設1件と大阪・名古屋の賃貸住宅7件で、ファンドのポートフォリオは合計24物件になった。
ファンドの運用を手掛ける森岡亮太執行役員シニアマネージングディレクターは「主要都市圏の物流施設と賃貸住宅は有望な投資先だ。今回の出資コミットにより、(レバレッジ効果で)取得した8物件以外に400億円の物件取得が可能になった」としている。(日刊不動産経済通信)