修繕積立金ガイドライン見直し 新築購入者の目安から長期修繕計画見据えた算出へ
マンションの修繕積立金に関するガイドラインの見直しでは、これまでガイドラインの主なターゲットを新築マンションの購入予定者としていたところ、既存マンションの区分所有者・管理組合も加え、マンションを適正に管理していくために必要な資金の目安がどの程度になるかわかるものに改める。修繕積立金額の目安を算定する計算式も見直し、既存マンションの管理組合が長期修繕計画の見直す際に活用できるようにしている。
修繕積立金額の目安は、これまで「新築時から30年に必要な修繕工事の総額を、均等積立方式による月額」としていたところ「長期修繕計画の計画期間全体に必要な修繕工事の総額を当該期間で積み立てる場合の専有面積当たりの月額単価」と定義を改めた。改定後の算出式は、【A】長期修繕計画の計画期間当初の修繕積立金の残高(単位・円)=【A】と計画期間で集められる修繕積立金の総額を合計したもの(円)=【B】を、マンションの総専有床面積(㎡)=【X】と長期修繕計画の計画期間(カ月)=【Y】を掛け合わせたもので割る式【(A+B)/(X×Y)】に改めた。現行の算定式が新築マンションを購入する際に修繕積立金の適切さを判断する目安だったのに対し、長期修繕計画の計画期間全体での修繕積立金の平均額を算出できるものに変更した。
新たな算定式で求めた修繕積立金の平均額の目安(機械式駐車場分は除く)も提示した。20階未満のうち、延べ5000㎡未満のマンションは㎡当たりの月額が235~430円、延べ5000㎡以上1万㎡未満は170~320円、延べ1万㎡以上2万㎡未満では200~300円、2万㎡以上は190~325円。20階以上は延べ床面積に関わらず240円~410円となっている。
2021/10/5 月刊マンションタイムズ