新時代の管理運営を探る㊿新時代のマンション管理を体感できるあなぶきPMアカデミーTOKYO(下)飯田太郎(マンション管理士/TALO都市企画代表)

新時代の管理運営を探る㊿ 新時代のマンション管理を体感できるあなぶきPMアカデミーTOKYO(上)より続く

管理会社と管理組合のパートナシップ実現の場に

 消費者にとってマンションに次いで大きな買物であり、同じく現代の都市生活を象徴する存在である自動車の場合、日本でマイカーが普及しはじめたとき「走る凶器」と言われたことがある。自動車の仕組みや整備、運転等のルールやマナーが徹底しないため、1970年には交通事故による死者が1万7000人近くに達したこともある。その後、自動車についての理解が徹底したことで死者は減少し2020年には3000人を下回るようになった。複雑な機械システムとしての自動車の仕組み、始業点検や整備、運転実技、交通法規等を身につけるようになったからである。

あなぶきPMアカデミーTOKYOのフロア構成


 マンションの建物・設備も技術の集積体であり、居住や維持管理に法制度等の知識が求められる。もちろんマンションの場合、購入や居住に際して教習や免許取得が求められるわけではない。免許制度等があったらマンションが普及することはなかっただろう。
 多くの場合、デベロッパーはマンション販売にあたり購入者の夢を実現することに注力し、維持管理等の面倒なテーマに触れないようする。区分所有法等にもとづく管理システムは、区分所有者や居住者がマンションの仕組みを理解していることを前提としているが、実際にはほとんど何も知らないまま購入し入居することが多い。このため管理会社はマンションについてイロハを記載した分厚いガイドブック等を入居後に配布し、管理の主体である区分所有者を言わばOJTで「訓練」することになる。もちろんお客様である区分所有者を訓練するとは言えないから「ご理解を頂く」わけだが、PMアカデミーは管理組合役員や居住者がマンションとは何かを理解するためにも活用できる。


 施設が充実しているだけに物足りないのは敷地の管理、特に植栽管理のコーナーがないことである。植栽は経年劣化する建物・設備と違い年々成長し経年優化する。高経年マンションのイメージアップに寄与することが多いが、しかし適切な剪定等が行われないとイメージダウンにつながることもある。植栽管理は居住者参加も可能で交流の場にもなる。一考を期待する。 
所在地:神奈川県川崎市川崎区宮前町8-3
https://www.anabuki-housing.co.jp/pm-academy/tokyo.php

2021/9/5 月刊マンションタイムズ

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