三幸エステートと三鬼商事は12日、全国主要都市における7月末時点のオフィス需給動向を公表した。三幸の集計では、東京都心5区の大規模ビルの空室率は前月比0・03㌽増の3・26%とほぼ横ばいで、空室率の先行指標となる「潜在空室率」は0・22㌽増の7・49%と微増だった。三鬼商事の調査データでも都心の空室率は0・09㌽増の6・28%と変動が小さい。コロナ禍で東京の空室率は上昇基調だが、7月は小康を保ったと言えそうだ。

 三幸の調査では都心5区の潜在空室率は18カ月連続で上がったが、8月以降、上昇のペースが落ちるかどうかの分岐点に差し掛かっていると考えられるという。同社の今関豊和チーフアナリストは「コロナ禍で停滞していたリーシングが活発になりつつある。オフィス統合・縮小の需要が中心だが空室増加を緩める効果は期待できる」と指摘している。都心の募集賃料は177円減の2万8720円と2カ月連続で下降。三幸によると募集面積は60万坪以上あり、借り手優位の状況だという。

 三鬼商事の調査では都心の空室率は6・28%と2カ月連続で6%台に。新旧別の内訳は新築ビルが1・57㌽増の11・42%、既存ビルが0・08㌽増の6・2%と新築の需給緩和が顕著だ。区ごとの空室率は港区が0・25㌽増の8・3%と最高値。一方、千代田区は0・03㌽増の4・54%と最も低かった。同社が集計した都市別の空室率をみると、大阪が0・09㌽減の4・15%、名古屋が0・06㌽増の4・21%、福岡が0・03㌽減の4・37%などとなっている。(日刊不動産経済通信)

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