大手ハウスメーカー7社の4月の戸建て注文住宅受注状況によると、金額ベースでは前年同月比で全社が大幅に伸長した。前年同月は、最初の緊急事態宣言で展示場の集客が9割減となるなど極めて厳しい時期だったため相対的に上昇した一方、新しい訴求・商談方法への移行など各社の取り組みも奏功している。
各社の伸び率は、積水ハウス41%増、大和ハウス工業37%増、住友林業28%増、積水化学工業住宅カンパニー(棟数ベース)39%増、旭化成ホームズ208%増、パナソニックホームズ41%増、ヒノキヤグループ87%増。展示場への集客は、現在も「2~3割減」(2社)から「半減相当」(1社)と厳しい一方、候補を厳選した上で展示場を訪れる来場者が増えたため、成約率は「推定3倍以上」(1社)と上昇している。オンラインでのセミナーや発信、ウェブでの打ち合わせなど対面に頼らない手法も確立した。
旭化成Hの事例では、法人(銀行など)からの紹介による購入検討者の発掘と提案の強化、営業の効率化に資する営業拠点の再編なども貢献。同社の4月の業績は、過去10年間で単月3位だった。住宅生産団体連合会がまとめた4~6月の戸建て注文住宅の景況感予想は、回答した大手13社中6社が「10%程度以上良い」とし、「悪い」とした企業はなかった。
今後の課題は、輸入木材の価格高騰に伴うウッドショック。木質系住宅を中心に扱う企業は「調達基盤も木材事業者各社とのつながりも強いため、21年度の資材確保の見通しは立っている」(1社)、「半年から1年ほどは価格を維持できる見通し」(7社以外の2社)などと目下の大きな影響はないとみる一方、問題の長期化と先行きの不透明さを懸念する。(日刊不動産経済通信)
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