高齢者の住宅売却でトラブルの発生増加―国民生活センター、リースバック案件も急増

 国民生活センターは、高齢者の自宅売却トラブルが増加していることから、国土交通省や不動産業界団体5団体に対して、周知と適切な対応を要望した。自宅を売却して資金を得た後も賃料を支払うことで住み続けられる「リースバック」の営業からトラブルに発展した事例も急増している。同センターは、高齢者への丁寧な説明と、営業活動での法令遵守を求める。
 同センターへの16~20年度の住宅売却に関する相談件数5443件のうち、半数程度が60歳代以上からの相談。このうち、70歳代以上の相談割合が5年間で36・2%から52・3%に増加した。同センターは事態を重くみて、特に悪質な7事例を公表した。一人暮らしの高齢者に朝から晩まで長時間の勧誘を行い、強引に売却契約をさせる例が目立つ。
 なかでも、リースバックの営業がきっかけのトラブルが最近目立ってきているという。「16年にはほとんどなかったが、19年から増え始めた。体感的な数字だが、数十件はリースバックが原因の相談がある」(同センター相談情報部)。リースバックは売買と賃貸借が一体で行われる複雑な契約形態で、高齢者が十分理解しないまま契約してしまうケースがある。同センターは、リースバックでは自宅の売却価格が相場より低くなることがあること、賃貸借契約の期間を定められる場合が多くずっと住み続けられる保証はないことなど、注意すべきポイントを周知している。
 宅建業法は、売主が宅建業者で消費者が買主となる取引にはクーリング・オフできる制度を定める。消費者が自宅を売却するケースは対象外で、売買契約が成立してしまうと無条件での解除はできなくなる。国交省は要望を受け都道府県・各地方整備局に周知した。(日刊不動産経済通信)

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