(提供 日刊不動産経済通信) 大東建託は、4~6月(23年3月期第1四半期)のZEM-M賃貸集合住宅の契約棟数が9226戸に達した。昨年度通期の契約実績は3907戸で、第1四半期(1Q)のみで昨年度の3倍弱の実績を達成。通期の当初販売目標である1万戸に早くも迫っている。ZEH提案の機会を増やしたことなどが要因で、今後も取り組みを加速する。
同社は17年に初のZEH賃貸集合住宅を竣工させ、昨年度までに累計5361戸を契約。提案は、昨年11月にZEH提案が可能な全国の138支店で標準化した。ZEH賃貸住宅での太陽光発電システム(PV)搭載事業スキームは、大東建託パートナーズが建物の所有者から屋根などPV設置場所を借り受け、初期投資と修繕費用を負担して毎月設置場所に対する賃料を支払う。名称は「DK-ZEH」で、22年6月末時点で93棟のZEH賃貸住宅にPVを設置済み。年度内に600棟での搭載を目指す。入居者の利点は、建物の高い省エネ性能により消費エネルギーが平成28年度基準との比較で2割削減される点と、停電対策になることだ。
商品では、5月にZEH-Mオリエンテッド仕様の「ニューライズ」を発売した。ZEHを上回る性能のLCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)賃貸集合住宅の1号棟も竣工。2030年の目標は、すべての新築建物をZEH化することだ。同社の1Qの建設事業の受注工事高は1356億2300万円(前年同期比74・7%増)で、ZEH賃貸住宅の好調な販売状況が牽引している。