東京都が昨年4月から開始したマンション管理状況の届け出率は、3月末時点で約68%だった。対象は1983年12月31日以前に新築された総戸数6戸以上のマンション約1万2400棟で、届け出は約8500件。
都が、適正管理の推進と老朽マンションの再生促進を2本柱として定めた「東京 マンション管理・再生促進計画」での目標は、25年度までに届け出率を8割にすること。耐震診断や改修費用などの補助、マンション再生ガイドブックの作成などで後押ししてきた。
管理組合、管理者等、管理規約、修繕積立金、管理費など、管理不全の兆候となる適正管理の上で必須の7項目中、いずれかが「ない」としたマンションは1226棟で、全体の約14%を占める。修繕積立金が「ない」は27・5%、修繕の計画的な実施が「ない」は62・1%。1項目が「ない」マンションは715棟、2項目が「ない」は188棟で、全項目が「ない」も26棟あった。1項目以上が「ない」で管理不全の兆候があるマンションのうち、耐震診断を実施していないのは全体の65・9%。管理不全の兆候がないマンションより、未実施率が12・7㌽高かった。
都は新しい施策として、高齢化などで管理組合の担い手が不足するマンションなどを対象とした第三者管理を含む専門家による支援のあり方の検討と具体化、建て替え円滑化法を踏まえた建て替え・敷地売却・団地での敷地分割制度の活用を促進する新たな支援策の検討、バリアフリー・環境配慮・長期優良住宅など脱炭素社会の形成に向けた良質なマンションストックへの移行を誘導する施策などを検討する。(日刊不動産経済通信)
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