三菱地所、スマートホーム事業を拡大―集合住宅と戸建てに展開、顔・声認証も

(提供:日刊不動産経済通信)三菱地所は総合スマートホームサービス「ホームタクト」の導入を増やす。専用アプリでマンションの施解錠や照明、空調、給湯などを一括操作できるサービスを21年に商品化し、自社で開発した都内の賃貸物件などに採用した。昨夏から外販を始め、その第1号物件として、プロパティエージェントが開発した東京・板橋の新築マンションに顔と声で入退室管理や家電操作などを行える仕組みを初めて実装した。三菱地所は自社と他社の新築・中古マンションやホテル、注文住宅などにホームタクトを普及させたい考えだ。

 プロパティエージェントが3月に竣工させた「ヴァースクレイシアIDZ板橋本町アーバンレジデンス」(総戸数38戸)に、同社子会社のDXYZ(東京・新宿区、木村晋太郎社長)が開発した顔認証システム「フリード」と「ホームタクト」を初めて併用し、「手ぶらマンション」を実現した。顔と声を一度登録すれば共用部と専有部の入口は顔パスになり、居室では家電などをスマートスピーカーで動かせる。部屋鍵やスマホなどを持たずに室内外の生活動作をこなせる。

 三菱地所は21年11月にホームタクトを実用化し、自社グループの賃貸マンション「ザ・パークハビオ」シリーズ4棟などに採用した。今年4月には鳥取ガスと提携し、鳥取・島根両県で販売に乗り出した。

 他社の分譲マンションへの導入は板橋の案件が初めて。三菱地所住宅業務企画部の担当者は「今後は流通量が多い中古マンションや賃貸管理会社などにサービスを売り込みたい。リートの引き合いもある」と話す。名古屋・新栄の自社開発の賃貸マンションや三井ホームの注文住宅などへの導入も検討している。

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