東急は「変革」をテーマに、23年度までを計画期間とする中期経営計画を策定した。交通事業は今期も19年期比で売上2割減を見込んでおり、コロナ禍で変化した事業環境に対応する新たなライフスタイルに対応した事業・サービスへの進化に向けた方針をまとめた。不動産事業では、長期経営計画で目指す「都市経営」に向けて、新宿、渋谷などの大規模プロジェクトや、自律分散型の沿線都市へ個性豊かで求められる価値の変化に対応するまちづくりを進める。

 社会的価値を創出するまちづくりを目指し、大規模プロジェクトでは、新宿TOKYU MILANO跡地で取り組む複合施設「歌舞伎町一丁目地区開発計画」の開発や、最重要拠点の渋谷では官民連携も含めた複層的取り組みを進める。東急百貨店本店の開発計画では業態も検討しながら、隣地と合わせて商業・住宅の複合施設の開発を想定した計画を推進する。連結利益への早期貢献が見込める事業として、資金効率を意識した事業の確立を図り、上場リートの東急リートとのパイプラインを活用したビルのバリューアップ再販などに取り組む。ほかに、ベトナム・タイなど海外の大規模プロジェクトの推進も継続し、今後も「東急ならでは」のまちづくりに取り組む。

 ホテル事業では、鹿児島、名古屋栄、大森の東急REIホテル3店の営業終了など事業の構造改革を行い、オフィス利用や長期需要獲得など客室の多用途化で収益性向上を図る。顧客や時代のニーズに合わせたサービスとして、デジタル技術を活用したサービスの導入や楽天グループとの戦略的提携による事業を開発し、価値の変化に対応する事業へ構造を変革していく。(日刊不動産経済通信)

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