自民党の住宅土地・都市政策調査会(石原伸晃会長)は、政府が年内にもまとめるコロナの追加経済対策に向けて、住宅土地・都市政策に関する緊急提言をまとめた。7項目の提言の筆頭に、住宅ローン減税の「床面積要件の緩和」が入った。国土交通省とともに、既存要件を厳格化することのない緩和を目指す。
緊急提言は、①要件を厳格化することのない住宅ローン減税および贈与税の非課税措置の拡充や床面積要件(現行50㎡以上)の緩和、「新たな日常」に向けたポイント制度創設②ビル賃貸事業者向けの固定資産税等の減免措置等の税制上の優遇措置、家賃支援給付金の円滑・迅速給付③テレワーク環境の整備支援強化④長期優良住宅制度等の見直し、ZEHなど脱炭素社会の実現に向けた必要な措置⑤固定資産税の負担調整措置の延長と、21年度は更に負担を軽減する特別措置導入⑥「新たな日常」実現に向けたスマートシティ社会実装の加速⑦20年度末に期限を迎える住宅土地・都市関係税制の確実な延長・拡充―の7項目。
目玉の住宅ローン減税は、消費増税対策で導入された控除期間13年の特例を延長する。特例の入居期限を22年末、契約期限を注文住宅21年9月末、分譲住宅21年11月末とする。適用者の年間所得を3000万円以下とする現行の所得要件が、床面積の緩和と引き換えに厳しくならないよう、国交省も強く求めていく。
住宅ローン減税については、今後は政府が年内の閣議決定を目指す追加経済対策および21年度当初予算・20年度3次補正予算の議論と、自民党税制調査会での議論が両輪で進む。床面積要件を何㎡に引き下げるかは今後調整を経て決定する。
2020/11/13 日刊不動産経済通信